Vol.57 滋賀県

検査する意味を考えて、
より良い画像を提供したい

井本 剛志さん

大津赤十字病院 放射線部 勤務「滋賀県立 石山高校出身」

取材日 2017/2/17

モダリティと向き合う日々挑戦の毎日

元々医療分野全般に興味があり、その中でも高校時代に部活でよく怪我をしたときに撮影してもらっていたレントゲン撮影に関わる仕事をしたいと思い、診療放射線技師を目指しました。京都医療科学大学への進学を決めた理由は、歴史ある大学であること、現在まで多くの卒業生を輩出していることでした。私の働いている病院には、約30人の診療放射線技師が在籍しています。現在の仕事は頭部のMRI、一般撮影、CT、ポータブル、アンギオ(血管撮影)など多岐にわたります。第一種放射線取扱主任者の資格も取得しました。まだ全てのモダリティ(装置)を使いこなすことはできませんが、「使わないと覚えられない」と奮起しながら挑戦する日々を送っています。また、患者さんと検査で直接向き合うときには、専門用語はあまり使わずにわかりやすく説明することを心がけています。病気や怪我で来院される患者さんが不安な気持ちにならないように「どこが痛いですか?」などと声をかけ、コミュニケーションをはかりながら検査を行っています。

「価値ある臨床画像」を提供する仕事

大学では文字通り「基礎の基礎」から学びました。入学するまではCTやMRIなどの装置の名前を知っている程度でしたが、京都医療科学大学の授業では臨床画像を構成する「原理(画像工学)」から「装置の構造」までみっちり勉強します。この知識は「どんな画像を医師に提供すべきか」を最優先に考えなくてはいけない臨床の現場において「重要な基礎知識」として活かされ、この知識によって、私は日々来院される患者さんのために「価値ある臨床画像」を撮影することができています。

自分の操作する「モダリティ」の能力を最大限に活かして患者さんに還元

診療放射線技師の仕事は専門性が高く、掘り下げれば掘り下げる程、どんどん知らないことが出てきます。医学もモダリティ(装置)も日々進歩を続けています。どんな仕事でも同じだと思いますが、継続的に勉強をしていかなくてはいけません。簡単なことではありませんが、一つ一つ知識を積み重ねていくことが、この仕事の面白さでもあると思います。私が最も重要だと思うことは「ドクターが迅速に診断できる画像」を提供すること。早く病気が見つかれば、患者さんは早く治療を受けることができます。これを探求し続けてこそ「スペシャリスト」であり、診療放射線技師の目指すべき姿であると思います。