Vol.56 愛媛県

人の役に立ちたい、
立てるから頑張れる

辻 葵さん

愛媛大学医学部附属病院 診療支援部 放射線部門 勤務「愛媛県立 新居浜西高校出身」

取材日 2017/2/1

病気を早期発見するため、自分の技術に磨きをかける

現在、勤務2年目で診療支援部という部署に所属しています。ここには私たち診療放射線技師の他に、臨床検査技師や、リハビリスタッフが在籍しています。一般的に「コ・メディカル」と呼ばれるグループです。ここで私が担当しているのは「放射線治療」の仕事です。癌治療において、診療放射線技師は医師の特定した「腫瘍の位置」に正確に治療(照射)を行うためにミリ単位の位置決め・装置の設定(マーカ及び放射線量の設定)・調整を行います。位置を間違えることは許されません。もちろんダブルチェックなど万全の態勢で患者さんを迎えているのですが、それでも毎回緊張します。精度に責任を持って照射すべき場所に放射線を当てることが治療分野における診療放射線技師の仕事です。

丁寧な説明で患者さんの気持ちに寄り添う

一般的なレントゲン撮影やCT、MRIには、通常、病気があるかどうかわからない方や、すでに病気があり、「悪化していないかどうか?」を知りたい患者さんが来院されます。最近では患者さんも様々な方法で病気や、放射線についての情報を手に入れることができるようになり、以前よりも放射線検査についての認識が広まったと感じます。しかし、患者さんの中には「放射線自体が悪いもの」と思っている方もおられます。そういう方には「検査では体に害の出ない程度の放射線しか出ていません」ということを伝え、検査の意義を詳しく説明し、理解してもらっています。また、放射線治療の場合には、現在、癌をかかえている患者さんが来られます。放射線治療ではレントゲン撮影での検査以上に高い線量の放射線を使用するため、患者さんの体への負担が大きくなります。被曝したくない方に線量の高い放射線を使う訳ですから、「必要な部位にだけ照射する」ということを理解して頂かなくてはいけません。病気を抱え、不安と戦う患者さんの気持ちを汲み取りながら、いつも丁寧な説明をするように心がけています。

責任とやりがいを日々感じることができる仕事

癌は早期発見が重要な病気であり、早く発見することができればそれだけ早く治療を受けることができ、結果、命が助かる可能性が高くなります。医療活動において、診療放射線技師は病気を早く見つけるための重要なポジションにいます。医療の知識や装置の構造のことなど、勉強することはとても多い仕事ですが、そこにやりがいを感じることができます。また診療放射線技師という仕事は女性にも多くの活躍の場があります。特にマンモグラフィ(乳癌検査)では女性の患者さんが多く、女性の診療放射線技師に安心感を持って接してもらうことを望んでいます。今後は特に興味のあるマンモグラフィ(乳癌検査)に関する資格を取得したいです。