Vol.45 福岡県

日々進む医療についていくため、自分を磨くのは楽しいです

佐伯 彩奈さん

小倉記念病院 放射線技術部 血管造影課 勤務「福岡県行橋市出身」

取材日 2015/1/29

インタビュアー「京都医療科学大学名誉教授 西谷 源展 さん」

学生同士で勉強しあう伝統

西谷名誉教授:久しぶりです。社会人らしい顔つきになってきましたね。

佐伯さん:ご無沙汰しています。そう言われるとうれしいです。厳しい現場で鍛えてもらっています。

西谷:佐伯さんは、在学中から熱心に勉強していましたね。

佐伯:学生生活は、なにせ忙しかったです。朝から夕方まで授業で、実習も多く、休んだりしたら簡単に取り返せない。親に学費や生活費まで出してもらっているのに、国家試験に落ちたら意味がなくなりますから、4年間は勉強するしかなかったです。友だちもみんなそうでしたよ。

西谷:でも、わが校の学生は和気藹々と楽しんでいる雰囲気がありますね。

佐伯:学ぶことが多く、専門科目も豊富なため、学生同士で勉強しあう伝統があるんです。私も普段から友だちと学校に残って勉強し、学校のあとも、誰かの下宿に行って勉強。友だちに自分の得意な科目を教え、友だちの得意な科目を教えてもらう。教えることは、良い復習になりました。サークルの先輩からは、定期試験の過去の問題を教えてもらったりしていました。

西谷:僕が学生だった時代からわが校には、定期試験を受けたら問題を記憶して、帰宅したら書き残し、後輩に伝えるという伝統もありますね。後輩にはこれがいい勉強になる。それに、先輩や友だちと交流することは、ひいては社会人になったときに、患者さんや同僚とうまくコミュニケーションをとることに繋がるんだと思いますよ。佐伯さんは、就職ははじめから、地元の九州を希望していましたね。

国家試験に受かれば、晴れ晴れと就職活動

佐伯:大学生活は京都で送りたいと思いましたが、いずれ地元に戻るつもりでした。でも、4年次の2月にある診療放射線技師国家試験に力を注いでいたので、なかなか就職に気持ちが向きませんでした。国家試験後やっと就職活動にかかりましたが、春までに地元での就職が決まるかどうか、少し焦りました。

西谷:4年次には、学外の病院で行う実習があり、また国家試験のための勉強も必要だから大変です。でも、国家試験に受かるかどうかに、すべてがかかっています。1点でも足りなかったら、国家試験は受からない。就職どころではないのですから。

チャレンジングで夢のある職業

佐伯:今、私は入職2年目で、血管造影の専属技師としてカテーテル室に勤務しています。ここはドクターや看護師など、いろんな職種の方と直接関わる部署です。ドクターから直にオーダーがあるので、解剖学の理解も必要で難しいことも多いですが、なぜこの撮影が要るのかを直接ドクターに聞けたりするので勉強になります。もちろん、そんなことを聞けるのは新人のうちだけですが。

西谷:勉強は一生つづきますよ。病態は患者さんによって異なるから、さまざまな治療の知識が要る。機械や手術の手法も、次から次へと新しいものが出てくる。飽きずにいつまでも勉強しなければならない。けれど、それこそが、この仕事の魅力ですね。

佐伯:診療放射線技師は将来に夢のもてる職業だと思います。ひとつのことを習得したら終わりではなくて、どんどんいろんな新しいことを勉強しなければついていけない。でも新しいことに挑戦できるから楽しい。機械もレントゲンだけではなくてCTやMRIや血管造影といろいろ使えます。資格もとれます。それに私は撮影が大好きです。きれいに撮れたかどうか、すぐに結果がでますから、失敗したときには、次はどうすればいいかと考えて、またがんばろうと思えます。