Vol.64 滋賀県

診療放射線技師とは、病気を見つけ出す「第一発見者」です

川田 悠平さん

滋賀医科大学附属病院 放射線部 勤務「滋賀県立 八日市高等学校出身」

取材日 2018/2/13

京都医療科学大学についてひとこと

私が京都医療科学大学を選んで一番良かったと感じることは「先生との距離」が近いことです。勉強についての相談がしやすく、疑問に思ったらすぐに質問に行くことができました。就職活動時も気兼ねなく相談に行けたアットホームな環境は、この大学ならではだと思います。また、この大学は島津学園という名のとおり、島津製作所をはじめとしたモダリティ(装置)がとても充実しています。授業では実際に操作して実験を行うのですが、この実験が臨床現場の実務に即しており、毎日の仕事で非常に役立っています。さらに、京都医療科学大学には北海道から沖縄まで、いろいろな地域から学生が集まってきます。4年間をともに過ごした仲間達は卒業後、全国各地で診療放射線技師として活躍しています。その交流は現在も続いており、お互いの近況報告や仕事についての情報交換をしています。

学生時代の思い出について

(1)[ 第1種放射線取扱主任者資格 ] 取れる資格は取っておこうと、1年生後期から勉強を始めました。普段の講義とは別に先生が講義をしてくださり、上級生にまじって、当時はまだ習っていない範囲に必死に食らいついて勉強しました。おかげさまで、2年生の夏に一発合格できました。
(2)[ 京都学生祭典の実行委員 ] 京都は「学生のまち」としても有名です。他大学の学生とも交流できたらなあと思っていて、先輩から京都学生祭典の話を聞き、実行委員会に参加しました。他大学の学生と交流できましたし、また秋ごろに行われる祭典に向けて企画立案や会議などを通して活動したりと、色んな体験ができました。
(3)[ ベトナム研修 ] 3年生の夏、滋賀県放射線技師会の国際交流事業に同行させていただく機会をいただき、ベトナムに行きました。初海外ということもありましたが、他国の診療放射線技師の方と交流し、診療放射線技師や検査を受ける患者さんを取り巻いている環境、日本と違うところなど、日本での臨床実習とは違った視点から見ることができた、とても貴重な経験をさせていただきました。国際的な交流ができるのも、京都医療科学大学の魅力の1つだと思います。

仕事の内容

私の勤務する滋賀医科大学附属病院は、病院としての診療業務をはじめ、研究・教育機関としても重要な役割を担っている総合病院です。私たち診療放射線技師は患者さんの症例にあわせて、レントゲン撮影、X線CT、MRIなど様々な検査で、医師が診断を行うために必要な画像を撮影しています。レントゲン撮影やX線CTといった検査のためには放射線が必要となりますが、私たち診療放射線技師には最少限の放射線量(低線量)で検査・撮影する技術が求められます。私は日常業務と並行しながら、この「被ばく線量」をテーマにした研究を続けており、昨年では滋賀県の診療放射線技師会から優秀賞をいただきました。また、病院スタッフの協力を得て、韓国の技師学会にも参加でき、英語での研究発表も経験できました。就職してからも勉強・研究と大変ですが、充実した日々を送っています。

仕事のやりがい

毎日の仕事では「医師と同じ目線で撮影すること」と「笑顔で明るく患者さんに接すること」を心掛けています。診療放射線技師は医師が疑う病気の原因を撮影する「第一発見者」として責任のある仕事です。医師の要求する画像を的確に撮影することは容易なことではありませんが、最良の画像を提供することが私たち診療放射線技師の重要な役割です。そのためにも、日々勉強を続け、技術を磨くことが大切ですし、この仕事のやりがいであると感じています。

これからの目標

患者さんは不安を抱えて病院に来られています。少しでも不安を払拭できるように、笑顔で明るく接することを目指しています。このことが、診断に最適な画像を撮影することに繋がりますし、結果として患者さんの利益につながると考えています。これからも自分に与えられた課題を1つずつ乗り越え、経験を積み上げていきたいです。