山東島津放射技術講座 報告

山東島津放射技術講座」を終えて       遠山景子

20016年9月3日から11日までの9日間、中国山東省済南市の山東医学高等専科学校へ講義に行ってきました。
中国の高等専科学校は三年制です。高級中学(日本での高等学校)を卒業し、国家試験(日本でのセンター入試)合格後に入学します。診療放射線技師関係の場合、卒業時には初級職種の「技士」資格を取るべく国家試験を受け、病院勤務となります。また、地方進学試験を受験し大学に編入する場合もあります。大学は四年制もしくは五年制で、卒業時には初級職種の「技師」の国家試験を受け、病院勤務となります。
本学は年二回、教員が出張して講義を行うこととなりました。
今回の山東医学高等専科学校での講義内容は、頭や四肢など単純X線撮影方法についてまとめたX線撮影技術学と、日本のがん罹患率や死亡順位の紹介、日本の検診(胃がん、肺がん、乳がん、骨粗鬆症)での診療放射線技師の役割についてです。使用したスライドは350枚を越えました。受講生は新2年生3クラス230人程度でとても熱心でした。通訳の李教授にスライド記載以外の私の説明をしっかり伝えていただき、皆が声を出して大きくうなずき、はっきり分かったと意思表示してくれます。李先生のおかげでコミュニケーションがとりやすいです。X線撮影技術学では、一番熱心に受けていたのは、乳房X線撮影に関する日本の国家試験の解説でした。講義は朝8時から11時半までと、午後2時から4時半までです。私にはハードでホテルに戻るたびに中国の言葉で伝わりやすいようスライドを修正、追加していて、心休まる時間がありませんでした。済南では三食ホテルで食事をし、ずっと学校とホテルとの往復でスタッフのやさしさに支えられていました。
済南市は近代化がさらに進んでいてホテル周辺は道路工事と建物の取り壊しをしていました。ホテルの周辺は昔ながらの家がいくつか建っていますが、さらに開発が進むためなくなると思われます。
洗練された建物のあいまに見えるレトロな建物に、中国の急激な変化を伺えました。しかし、済南の人は素朴で、正直で、中国語の分からない私に声をかけてくれ、笑顔とやさしさで接してくれました。いつまでも変わらないで欲しいです。